BanG Dream! ガールズバンドパーティ! 感想(アドベンチャーパート・アニメ編)

バンドリアニメ12話、最高でしたね。11話を見てからと言うもの前へススメ!をゲームでプレイするたびに涙で画面が1000回潤んで最後のスライドが何度やってもうまく行かずに未だにエキスパートをクリアーできていません。

さて、そろそろサービス開始から1ヶ月が経とうとしている「BanG Dream!(バンドリ) ガールズバンドパーティ!」通称ガルパ。筆者もすでにこの1ヶ月毎日のようにプレイして大変楽しませてもらっています。前回のゲームとシステム面からのレビューに引き続き、今回は音ゲーと双璧をなすもう一つの本作のメインコンテンツ、アドベンチャーパートのレビュー…ではなく感想を書いていこうと思います。ちょっとレビューというには入れ込んでしまいました。ガルパを語る上では避けて通れないアニメバンドリの方も触れています。
ゲームやアニメをスポイルするレベルのネタバレは出来る限り避けていますが、記事後半では詳細は省いていますが特にアニメの方は大まかな流れについても触れています。



ガルパにはストーリーメニューからアクセスできるメインストーリーとバンド個別のバンドストーリー、全体マップのSDキャラクターからアクセスできる最大二名のキャラクターによる日常会話パートの大きく分けて3つのアドベンチャーパートが存在します。

これらはランク等でアクセスする順番やタイミングがある程度制御されていますが、基本的にプレイヤーは常にこれらを読むことができるようになっています。

時系列で整理するとまず最も過去の話であるバンドストーリー、5つのバンドがライブハウスCiRCLEのイベントをきっかけに出会う様子を描くメインストーリー、そしてその後のキャラクター同士の関係を描いた日常会話パートと並んでいます。

3つのストーリーが紡ぐキズナのモノガタリ

これら3つの時系列を異にするストーリーはシステムによって明確に読み終わる順番を制御されています。順当に読んでいけばまずは常にアクセスできる日常会話を読み進め、その日常会話を読んだりリズムゲームパートをプレイすると必ず上昇するプレーヤーのランクによって徐々に解放されるメインストーリーが続き、最後に最も過去の話であるバンドストーリーの結末にたどり着くはずです。

ソーシャルゲームらしいランクシステムを使って時系列を遡る形で徐々にキャラクターを掘り下げていくアドベンチャーパートはかなり成功しています。まずは完成した関係を見せながら、彼女たちがどのように絆を深めていったのかをゆっくり紐解いていく楽しさはゲームをプレイするモチベーションの維持に大変大きく貢献しています。

所属バンドの違う二人の日常会話。どこで知り合ったかはメインストーリーにて。

個別に見ていくとやはり最後に読み終えるバンドストーリーの完成度は目を見張るものがあります。力の入れ方も他のパートに比べても強く、クライマックスを迎えるとそのバンドのオリジナル楽曲が1つアンロックされます。バンドストーリーは最後にアンロックされるバンドの魂の1曲のために存在していると言ってもいいでしょう。
バンドとメンバーの成長が結実して楽曲が生まれるという点でおそらくバンドリのストーリー原案を担当した中村航氏(100回泣くこと、トリガール等の著者)が関わっていると予想していますが、ソーシャルゲームの常としてスタッフが全面に出てこないので調べるのがなかなか難しい…。ストーリーと密接にリンクした楽曲がアンロックされるのでPoppin’ Partyの楽曲同様作詞で参加しているかと思えばそうでもありませんし。

アニメとゲームが紡ぐ最初のキズナのモノガタリ

2017年上半期の大ヒットアニメである「けものフレンズ」は若干変則的ながら原作であるゲームとアニメが密接に関わっていました。アニメが描いたのはゲームのストーリーのその後のお話。優しい世界が時折見せる厳しい顔に惹かれてツイッター上でもその話題を見ない日は無いほどに盛り上がりました。

もう1つ2017年アニメとソーシャルゲームのメディアミックスの成功例としてアニメバンドリとガルパはけものフレンズに肩を並べる出来であると断言できます。
アニメで描かれるのはゲームで言うところのPoppin’ Partyのバンドストーリーです。ゲームのバンドストーリーの方では商店街のお祭り開催をめぐる彼女たちの奮闘が描かれていますが、他の4つのバンドと違い結成のお話ではありません。他のバンドのバンドストーリーに相当するのがアニメと言う形になっています。

第四話で衝撃的なデビューを果たしたおたえ。ゲームでも当時の話はよく出てきます。

ここで少しゲームとアニメのタイムスケジュールの確認をしておきましょう。ガルパ配信は3/16でアニメは第1話が1/27、ゲーム配信時には8話まで放送が終わり9話を待つあたりです。アニメを見た人に今更説明するまでもありませんが、8話でようやくフルメンバーが揃ったPoppin’ Partyは10話でそれまでバンドを引っ張り続けてきた主人公香澄が大きな挫折を味わうクライマックス直前の回になっています。「一番できていない」という言葉に深夜に泣きながら一人でギターを練習し、プレッシャーに押しつぶされるラストはこれまで見てきた戸山香澄像を見事に塗り替える出来でした。
そんな中第10話放送記念としてガルパにも前へススメ!が追加されました。いくらなんでもなぜ大きな挫折を味わった10話を記念して配るのが前へススメ!なのかと思いましたが、それより興味を引かれたのは追加された楽曲が今までのポピパの楽曲ではコーラスを担当していた他のメンバーがパートごとに交代してメインのボーカルを努めていた点です。歌詞もキャラクターの心情を歌い上げており、11話の展開へ期待を煽るものでした。
バンドアニメの新曲というのはロボットアニメで言うところの新主人公機登場と同じレベルでアガる要素ですが、バンドリはゲームも巻き込んで楽曲のバックグラウンドをファンに示した好例でした。やっぱり聞いてると泣いてしまうU&Iや天使に触れたよに勝るとも劣らない素晴らしい演出です。
前へススメ!が完成した11話でチョココロネ、ついにSPACEのオーディションを突破した12話で盆栽セットと謎の行動を見せている運営が13話に向けて何を用意しているのか目が離せません。

他にもアニメのストーリーとリンクした話は枚挙に暇がなく、ゲームを気に入った人はアニメを、アニメを気に入った人はゲームをプレイすると作品世界が更に広がることは間違いありません。

メインストーリーにて。目標だったSPACEのオーディションを突破した後の彼女たちの新たな目的とは?

バンドリアニメはついに最終話を残すのみ。すでに心のなかで花園ランド建設準備が着々と進んでいますが、OVAも控えているそうなので「泳いじゃった」そして「(温泉に)入っちゃった」の公開を期待しながら11月を待ちたいと思います。

脇を固める短編ストーリー

ガルパには常にアクセス可能なアドベンチャーパートだけでなくソーシャルゲームらしい期間限定イベントストーリーとガチャで手に入れたキャラクターに必ず2種類ついてくる短編があります。これらはイベントに参加したりガチャで該当キャラクターを引き当てなければならないので必ず全員が見られるというわけではありません。

どちらもやはり読ませる内容になっており、イベントストーリーはキャラクターたちの新たな魅力を引き出し、カードごとのストーリーではプライベートな内容だったりイベントやメインストーリーの後日談だったりとそのキャラクターがもっと好きになれるものが用意されています。

もう1つキャラクター同士の関係を描いているのがリズムゲームパートにも用意されています。ライブに参加するキャラクターは自由にバンドの垣根を超えて組めるのですが、中には意外なキャラクター同士の掛け合いがあり、ライブそっちのけで「どうやってこの二人は知り合ったの?」と考えてしまうことが結構あります。日常会話の延長線上にあるといえばそうなのですが、やはりバンドマン同士ライブ中は普段とはまた違った顔を見せてくれたり普段通りだったりします。

猫かぶりモードの有咲ちゃんは他のバンドのメンバーに対しては敬語。中学生のあこちゃんにも容赦なく敬語。

多方面から丁寧に描かれた少女たちのキズナのモノガタリ。さっきからキズナのモノガタリを推しに推してるのはバンドリのコンセプトがどうやらこれだからです。OPのときめきエクスペリエンスとっても良いよね。最初のみんなでBang Dream!の看板持ってるところ大好き。
まだゲームはサービス開始から1ヶ月、アニメの方も残すところ最後の1話ですが今からでも全く遅くありません。3話で(ある意味)大きく動くという意味で私の大好きなまどか☆マギカと並ぶ…と言ったらアレですが、それはさておき騙されたと思って是非とも10話まで見てほしいです。そして一緒にカプ談義で盛り上がりましょう。

「りみのベースは安心して聞いてられるなぁ。」所属バンドが違いながらライブ中には専用セリフ、日常会話パートでもやけに仲が良いりみりんとミッシェル。他のキャラクターは割りと何処かで知り合うきっかけが描かれてますがこの二人だけは割りと謎。この二人の馴れ初めが読みたい…。

あ、最後に不満点を1つ。日常会話とイベントストーリーも後から見返すことができるようにしてくれると助かります。日常会話も全て開放してしまうと見たものを見返すことが現状非常に難しく、イベントストーリーはイベント期間一週間で見られなくなってしまうというのはあまりにも惜しい楽しい話ばかりでした。せっかくここまで力を入れているのだからぜひともそれらを誇ってください。

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